
ステムCALS−WEBとここでは呼んでいる。
CALS−WEBシステムのようになると、新技術開発から製品出荷までのトータルリードタイムが5年以下になるといわれ、6年以下でシーズから製品までをまとめあげなければ、激しい競争には勝ち残れなくなると言われている。2−2 技術の連続から断続時代へ
電話、自動車、テレビ、パソコン、インターネットなどがワールドワイドに30%普及するのに要した年数をプロットしてみると第2図のようになる。通常ではシーズ開発から製品出荷まで7年から10年必要である。上述したように5年以下でシーズ開発から製品までを従来のように一社で纏め上げることは極めて困難である。したがって世界中にアンテナを張り巡らして情報を収集しながら、自社にあったものがあればいち早く入手するような活動が必要になる。そして製品化までの時間を短縮することによってシェア確保と競争力向上を実現していかなければならない。
このようにグローバルマーケットにおいて通用する企業に変革するための基本的考え方として、上述したように最も適したものとしてCALSが位置づけられているので、以下にCALSの基本概念を説明する。
3. 商用CALSの基本概念
3−1 商用CALSとは
商用CALSの定義としては、「すべてディジタルデータに基づいた製品のトータルライフサイクルにおいて、先端技術の応用、ビジネスプロセスの変革および国際規格や標準などを総合的に利用して企業のデータベースを共有化することによって、よりスピーディで効果的な製品開発や商取引および管理を可能とする政府と産業界の戦略である」と表現されている。
したがって、商用CALSは、グローバル・マーケットにおけるビジネス戦略であり、テクノロジーでもスタンダードでもツールでも製品でもないのである。また商用CALSは軍用CALSと本質的にその狙いは異なっているが、しかし多くの点で補完関係にあるので軍用CALSにおける従来の経験と実績が十分に利用できる。そして商用CALSは、中小企業から大企業のすべてをカバーすることが出来ると同時に、中小企業が大企業並みにグローバル・ビジネス活動が出来るとしている。
ここでCALSの原点をたどってみると、その本質を理解する。ことが出来るので説明する。CALSの原点は、米国防総省が開発したもので戦争に如何にして勝つかというところからスタートしている。すなわち、「競合するあらゆる場面において勝ち残るための仕組み、すなわち組織化、システム化に対する最良の考え方、フレームワークを示している」と表現することが出来る。
3−2 CALSの用語
米国内では“CALS”を「キャルス」と発音する人が多い。CALSは、その表記は変化していないが内容は次のように進展変化している。
(1)1986年、Computer Aided Logistics Support
(2)1988年、Computer Aided Acquisition & Logistics Support
(3)1993年、ContinuousA cquisition & Life−cycle Support
(4)1994年、Commercce At Light Speed
(5)1995年、Cows(テキサス訛り)
つまりCALSは、コンピュータによる武器、装備品の供給、補給支援システムからスタートして調達が追加され、さらに武器、装備品のライフサイクル管理支援システムにまで範囲が広がっている。そして最近では「光速での商取引」にまで発展し、‘95年には商売のマスコット「テキサスのキャシュ・カウ」まで動員して商用CALSの導入を推進している。
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